橋本病(慢性甲状腺炎)|弁天町の内科・生活習慣病【内藤医院】

橋本病(慢性甲状腺炎)

橋本病とは?

橋本病とは?

橋本病は、本来なら体を守るはずの免疫が誤って自分の甲状腺を攻撃してしまう「自己免疫疾患」のひとつです。実は、成人女性の10〜20人に1人がかかると言われるほど非常に身近な病気で、決して珍しいものではありません。

この病気の最大の特徴は、甲状腺ホルモンが過剰になるバセドウ病とは反対に、ホルモンが不足して全身の新陳代謝が低下する点にあります。

新陳代謝が低下すると、体全体の機能が落ち、まるで全身が急速に老け込んでいくような症状が現れます。

橋本病の症状

精神・神経の症状

無気力になり、頭の働きが鈍くなります。忘れっぽくなるため、ひどくなると「認知症」の原因のひとつになることもあります。

見た目・肌の変化

顔や手足など体全体がむくみ、髪が抜けやすくなります。皮膚も乾燥してカサカサになり、ツヤが失われます。

体感・活動量の低下

寒さを感じやすくなったり、日中もひどい眠気でボーッとしてしまったりと、活動的な生活が送れなくなります。

その他の不調

便秘、脈が遅くなる(徐脈)など、代謝が落ちることで体中のあらゆる機能が鈍ってしまいます。

橋本病の検査方法

橋本病かどうかを正しく判断するために、当院では以下の検査を行います。

血液検査

甲状腺に関連するホルモン(TSH、FT3、FT4)を測定し、甲状腺が正しく働いているかを確認します。また、特定の「抗体値」を調べることで、橋本病やバセドウ病といった自己免疫疾患があるかどうかを確定させます。

超音波検査

超音波を使って、甲状腺の大きさや内部に腫瘍(しこり)がないかを詳しく調べる検査です。放射線を使用しないため被曝の心配がなく、お体への負担が少ないのが特徴です。

心電図・胸部レントゲン

甲状腺ホルモンの値に異常をきたすと、心拍数の乱れや不整脈、心不全といった心臓への影響が出ることがあります。心電図や胸部レントゲン検査は、こうした合併症のサインが出ていないかを慎重に確認するために行います。

橋本病の治療方法

橋本病そのものは、甲状腺に炎症がある状態を指しますが、必ずしもすぐに治療が必要なわけではありません。治療の有無は、現在の甲状腺の働き(ホルモン値)によって決まります。

甲状腺機能が正常な場合

原則として、お薬による治療は必要ありません。ただし、将来的に機能が低下する可能性があるため、定期的な血液検査による経過観察が大切です。

甲状腺機能低下症がある場合

ホルモンが不足している状態では、合成T4製剤(チラージンなど)の内服を行います。これは足りないホルモンを補うためのもので、適切に服用すれば副作用の心配はほとんどありません。

橋本病の方はヨウ素の摂りすぎに注意

橋本病の方はヨウ素の摂りすぎに注意

ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料となる大切なミネラルですが、橋本病の方は摂りすぎに注意が必要です。過剰に摂取すると甲状腺が腫れたり、機能低下を招いたりする場合があるためです。

特に昆布はヨウ素が非常に豊富で、うがい薬(ポビドンヨード成分)の常用も極端な大量摂取に繋がるため控えましょう。一方で、わかめや海苔、ひじきなどを通常の副菜や汁物で適量食べる分には、制限しすぎる必要はありません。

妊娠を希望する方・妊娠中の方への注意点

妊娠を希望する方・妊娠中の方への注意点

甲状腺ホルモン不足は、不妊や流産、妊娠高血圧症候群などのリスクを高める原因となります。そのため、妊娠前から数値を正常に保つことが大切です。妊娠するとホルモンの必要量は通常の約1.5倍に増えるため、妊娠判明後すぐに薬の服用を開始したり、これまでの服用量を増やしたりして調整を行うことがあります。

正しく管理すれば、健康な方と同じように出産・育児が可能ですので、早めにご相談ください。

橋本病の治療期間と費用について

治療にかかる期間はどのくらい?

橋本病の多くはホルモン値が基準値内にあり、その場合は治療不要で数ヶ月おきに経過観察を行います。不足がある場合は薬の服用を開始しますが、現在の医療では完治が難しいため、原則として一生飲み続ける必要があります。しかし、数値が安定すれば通院は数ヶ月に1度で済み、健康な方と何ら変わらない生活が送れます。

治療費用の目安と保険適用について

橋本病の検査や治療はすべて保険適用となります。

初診時(3割負担の場合、検査費・薬代含む)

検査内容によりますが、約5,000~8,000円程度が目安です。

再診時

約2,000円〜3,000円程度が目安です。

費用負担を軽減する方法はある?

橋本病そのものは「難病指定」ではありませんが、合併症がある場合や、他の持病と合わせて通院が必要な場合は、お住まいの自治体の福祉制度が利用できる場合があります。

橋本病の診断を受ける目安と受診の流れ

診断を受ける目安

これらに心当たりがある方は、一度甲状腺の検査をおすすめします。

  • 2週間以上、理由のないだるさが続いている
  • 急に顔がむくみ、体重が増えた
  • 首の付け根あたりが腫れている気がする

受診の流れ

1.ご予約

顔や手足など体全体がむくみ、髪が抜けやすくなります。皮膚も乾燥してカサカサになり、ツヤが失われます。

2.問診・診察

ご来院後、現在お困りの症状やこれまでの経過について詳しく伺います。

3.検査(採血・エコー)

診断に必要な検査を行います。お体に負担の少ない検査ですのでリラックスしてお受けください。

結果説明

血液検査の結果が出るまで3〜4日ほどお時間をいただきます。後日、検査結果に基づき、現在の状態と今後の治療方針について専門医が丁寧に分かりやすくご説明いたします。

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