こんな方は脂質異常症に要注意
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健診でLDL(悪玉)・中性脂肪が高い/HDLが低いと言われた
血液中のコレステロールや中性脂肪の値が高いと、動脈硬化や心臓・脳の疾患のリスクが増加します。特に、LDL(悪玉)コレステロールが高いことが一番の問題で、40㎎/dL未満のHDL(善玉)コレステロールは逆に低いと危険信号です。健康診断で「LDLが高い」「HDLが低い」と指摘された場合は、まず受診を検討してください。
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体重や腹囲がこの半年で増えてきた
最近、お腹周りや体重が増えてきたと感じる方は、脂質異常症のリスクが高まっています。特に内臓脂肪が増えることで、中性脂肪やLDLコレステロールが悪化しやすいため、早期に生活習慣を見直すことが大切です。体重や腹囲の変化は、脂質異常症のサインかもしれません。
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夜遅い食事/甘い飲み物・間食が多い、またはお酒が多い
夕食が遅い時間になってしまうことや、甘い飲み物(ジュースやスポーツドリンク)、おつまみが多くなっていませんか?これらは中性脂肪(トリグリセライド)の上昇を招く原因になります。また、お酒も脂質代謝に影響を与え、過剰に摂取すると、中性脂肪やLDLコレステロールの値が悪化します。生活習慣を見直すことが予防につながります。
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こってり・揚げ物・肉中心で、野菜や豆類・海藻は少なめ
脂質異常症を引き起こす飽和脂肪酸が多い食事(揚げ物、脂身の多い肉、乳製品など)が中心になっていませんか?脂肪分が多すぎると、LDLコレステロールの値が上がり、動脈硬化を進めます。一方、野菜や豆類、海藻が少ない食事は、食物繊維不足に繋がり、血管の健康に必要な栄養が不足してしまいます。食事のバランスを整えることが大切です。
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運動はほとんどしない/座りっぱなしの時間が長い
運動不足や長時間座りっぱなしの生活は、血液の循環が悪くなり、脂質異常症を引き起こしやすくなります。特に有酸素運動が不足していると、HDLコレステロールが低く、中性脂肪が高い状態が続きます。まずは、1日30分以上の軽い運動から始めて、血液循環を良くすることが重要です。
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たばこを吸う/禁煙と再開を繰り返している
喫煙は善玉コレステロール(HDL)を減らす原因となり、動脈硬化を進行させます。禁煙しても再開する方は、さらに動脈硬化のリスクが高まります。禁煙が難しい方は、医師に相談して禁煙サポートを受けましょう。
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まぶた・肘・膝などに黄みの小さなふくらみがある
黄色腫(まぶたや肘、膝などに現れる黄色い塊やふくらみ)は、脂質異常症の兆候のことがあります。これは血液中のコレステロールが過剰になることで、皮膚にコレステロールが沈着して起こります。脂質異常症の兆候かもしれませんので、早めの受診が重要です。
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糖尿病・高血圧・甲状腺の病気がある、または指摘された
糖尿病や高血圧など、他の生活習慣病がある方は、脂質異常症を併発しやすくなります。これらの病気があると、血管の健康がさらに脆弱になり、動脈硬化を引き起こすリスクが高まります。生活習慣の見直しと定期的な検査が重要です。
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家族に若くして心筋梗塞・脳梗塞の人がいる
脂質異常症は遺伝的要因が強いこともあります。家族に若年で心筋梗塞や脳梗塞を患った方がいれば、早期に脂質異常症のリスクが高い可能性があります。定期的な検査と、必要に応じた早期治療を検討することが重要です。
これらの項目に3つ以上当てはまる方は、脂質異常症のリスクが高いと考えられます。早めにご相談ください。
脂質異常症とは?
LDL(悪玉)・HDL(善玉)・中性脂肪の基礎

脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)のバランスが崩れた状態を指します。
LDLコレステロール(悪玉):血管にこびりつきやすく、動脈硬化の原因になります。
HDLコレステロール(善玉):血管を守る役割を果たし、LDLコレステロールを回収して血管から排除します。
中性脂肪:食事で摂取した余分なエネルギーが中性脂肪として血液中に蓄えられます。
過剰に増えると、血管を詰まらせるリスクが高くなります。
数値の見方(LDL/HDL/TG/非HDL)と目安
健康診断でよく見かける脂質の数値には、以下の目安があります。
LDLコレステロール:基準値は140mg/dL未満。高い場合、動脈硬化のリスクが増えます。
HDLコレステロール:基準値は40mg/dL以上。低いと、血管を守る力が弱くなります。
中性脂肪(TG):基準値は150mg/dL未満。高いと、血管に負担がかかります。
非HDLコレステロール:LDLや中性脂肪を含めたコレステロールの総量を示し、160mg/dL未満が望ましいです。
もし、これらの数値が高い場合は、生活習慣の見直しと、場合によっては医師の指導を受ける必要があります。
症状が出にくいのに対策が必要な理由
脂質異常症は、自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行してしまうことが多いです。しかし、放置すると動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な疾患を引き起こすリスクが高まります。 そのため、数値に異常があった場合には早期に対策を取ることが重要です。健康診断で指摘された場合、症状が出る前に早期の治療を始めることが、健康を守るための鍵となります。
主な原因とタイプ別の注意点
生活習慣:食事の偏り・過度な飲酒・喫煙・運動不足
脂質異常症の主な原因として、不規則な食生活や過度な飲酒、喫煙、そして運動不足が挙げられます。特に、食事の偏り(脂肪分の多い食事や野菜不足)はLDL(悪玉コレステロール)や中性脂肪を増加させます。さらに、運動不足も血液中の脂質をコントロールしづらくし、健康的な血管を維持する力を弱めてしまいます。これらの習慣を改善することで、脂質異常症のリスクを大幅に減らすことができます。
体質・遺伝:家族性高コレステロール血症 など
家族性高コレステロール血症など、遺伝的要因も脂質異常症の重要な原因です。家族にコレステロール値が高い人が多い場合、特に注意が必要です。遺伝的な影響により、LDLコレステロールが通常よりも高くなるため、生活習慣を改善しても数値が高い場合があります。遺伝による脂質異常症は早期発見が重要で、早めの検査と対策を行うことで、動脈硬化のリスクを減らせます。
続発性:甲状腺機能の異常、糖尿病、薬剤性 ほか
脂質異常症は、甲状腺機能の異常や糖尿病、さらには薬剤の影響によっても引き起こされることがあります。例えば、甲状腺機能低下症の人は、LDLコレステロールが上昇しやすく、糖尿病の方も中性脂肪が高くなりやすい傾向があります。特定の薬(ステロイドや一部の降圧薬など)も脂質の異常を引き起こすことがあり、薬の使用に注意が必要です。これらの背景因子がある場合、定期的に血液検査を受けて、適切な対策を講じることが重要です。
当院で行う評価・検査の流れ
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Step01
初診(健診結果・生活習慣・服用薬・家族歴の確認)
初診時には、まず健康診断の結果や生活習慣、服用薬について詳しくお聞きします。どんな食生活や運動習慣があるのか、また過去にどんな病歴があったのかを確認することで、脂質異常症のリスクを正確に評価します。家族歴(家族に心筋梗塞や脳卒中などの疾患があった場合)も重要な情報です。。
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Step01
採血など必要な検査の実施
必要に応じて採血を行い、LDLコレステロールやHDLコレステロール、中性脂肪の数値を確認します。また、他の血液検査や、甲状腺機能なども一緒に調べることで、脂質異常症の原因を特定しやすくなります。基準値を超える数値がある場合、その後の治療方法を適切に決定するために重要なステップとなります。
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Step01
結果説明と個別の改善計画づくり
検査結果が出た後は、数値の意味や今後の治療方針について、わかりやすくご説明します。生活習慣の見直しが必要な場合、どこから手をつけていけばいいのかを具体的にアドバイス。必要に応じて、薬物療法を含めた個別の改善計画を作成し、患者様にとって最適な治療を提供します。治療が進む中で、定期的に評価を行い、計画を調整していきます。
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生活療法:体重管理・食事・運動・禁煙

脂質異常症の治療では、まず生活習慣を改善することが基本です。体重管理を含めた食事と運動を見直し、無理なく続けられる方法を提案します。例えば、少しずつ食事のバランスを整え、毎日の軽い運動を取り入れることが効果的です。また、喫煙がある方は、禁煙が非常に重要なステップとなります。日々の生活の中で実行しやすいコツを一緒に見つけ、無理なく改善していきます。
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食事のポイント:LDL高値/高トリグリセライドでの違い

LDLコレステロールが高い場合は、動物性脂肪の摂取を控え、植物性脂肪(オリーブオイルやナッツなど)を取り入れることが効果的です。また、高トリグリセライドの方には、糖分やアルコールの摂取を控えることが重要です。それぞれのタイプに応じた食事の改善ポイントをしっかり伝え、無理なく実行可能なアドバイスを行います。
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薬物療法:生活療法で不十分な場合に検討

生活習慣を見直しても数値が改善しない場合や、動脈硬化のリスクが高い場合には、薬物療法を検討します。薬物療法では、LDLコレステロールを下げる薬や、中性脂肪を抑える薬を使用します。治療を始める際には、薬の効果や副作用についてしっかりとご説明し、患者様にとって最適な治療法を選択します。
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よくある質問
1. どのくらいで数値は下がる?
脂質異常症の治療は、生活習慣の改善や薬物療法によって進行しますが、数値が下がるまでの期間は個人差があります。一般的に、生活習慣の見直しを始めてから数週間〜数ヶ月で改善が見られることが多いですが、効果が現れるまでに時間がかかることもあります。薬物療法を併用することで、より早い改善が期待できますが、数値が安定するまでには定期的な確認が必要です。
2. 薬は一度始めたら続ける?
薬物療法は、数値が改善した後も継続する必要があります。脂質異常症は慢性の病気であり、薬を中断すると再び数値が高くなることがあります。生活習慣の改善と合わせて、薬を続けることで長期的なコントロールが可能です。治療中は医師とともに経過を見守り、必要に応じて薬の種類や量を調整します。
3. 再検査のタイミングは?
再検査は、治療開始から約3〜6ヶ月後に行うことが一般的です。この期間で、治療の効果が現れているかを確認し、数値に改善が見られなければ、さらに対策を検討します。また、治療中の経過観察として、定期的に検査を行い、数値の変動を確認することが重要です。治療後も定期的なチェックを受けることをおすすめします。