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糖尿病について Vol.5

~なぜ糖尿病を治療しないといけないの?~

糖尿病で治療中の皆さんに質問です。皆さんは、糖尿病の症状でお困りですか?

おそらく、ほとんどの方が無症状ではないでしょうか。実は、糖尿病そのものは基本的に無症状です。

症状もないのに、糖尿病を治療しないといけないのはなぜでしょうか?

それは糖尿病による合併症を起こさないためです。糖尿病というのは、慢性的に高血糖の状態が続く病気です。また血糖値の変動も大きくなります。高血糖の状態が続いたり、血糖値の変動が大きいと、全身の血管が傷んでいきます。

血管が傷むと血管内部にコレステロールを主成分とするコブ(プラーク)ができたり、血管が硬く変質していきます。これを“動脈硬化”といいます。

動脈硬化が進行してプラークが増大すると、血液の通り道が狭くなり、血流が悪くなります。さらに進むと、血管が詰まったり、出血したりすることで、全身の臓器に多大な影響を及ぼします。また神経もダメージを受けるため、これらが相まって様々な問題を起こします。

代表的な糖尿病合併症は、眼(糖尿病性網膜症)、腎臓(糖尿病性腎症)、神経(糖尿病性神経障害)の3つですが、それ以外にも心筋梗塞などの心疾患、脳梗塞といった病気の原因にもなります。

こうした合併症が起こると、もはや無症状ではいられません。また、進行した合併症は根本的な治療が難しいのが現状です。そのため、合併症を進行させないこと、早期に発見することが大事なのです。

それが、定期的な血液検査、レントゲン撮影や心電図検査(可能であれば、各種エコー検査も)が必要な理由なのです。あと忘れてはいけないのが眼科受診です。次回はそんな眼のお話をしてまいりましょう。

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