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糖尿病について Vol.3

~HbA1cの変動について~

前回は、HbA1cと血糖値についてお話をしてきました。HbA1cは糖尿病の重要な指標であり、HbA1cが上昇していれば、糖尿病が悪化していることを意味します。逆にHbA1cが低下していれば、糖尿病が改善しているということです。

ただし、HbA1cの変動には一つ落とし穴があります。

それは急激に血糖値が悪化、改善している時に、その変化に付いていけないことです。端的に言うと、HbA1cは“ノロマ”なのです。これはHbA1cが安定した物質であることの裏返しともいえます。

HbA1cとはベースになるHb(ヘモグロビン)に糖が結合したものですが、Hbの寿命は約4ヶ月と言われ、比較的長いのが特徴です。一旦出来上がったHbA1cの寿命は、血糖値が上がろうが下がろうが影響されません。そのため、直近の血糖値と大きく乖離してしまうケースがあります。

例を挙げますと、この1ヶ月、生活習慣改善に必死で取り組まれて、体重が凄く

減ったとしても、思ったほど、HbA1cが下がらないということで、ガッカリされる患者さんが少なくありません。また内服薬やインスリンの開始により急激に血糖値が改善していく場合もこの傾向がみられます。

こうした場合、HbA1cが下がらないからといって、治療効果がないと判定するのは早計です。しっかり治療を継続していくと、“周回遅れ”でHbA1cも改善していきますので、決して治療を投げ出さないように注意してください。

ちなみに、これは糖尿病が急激に悪化している時も同様です。例を挙げますと、

年末年始の生活の乱れが、2月や3月のHbA1cに現れるといった具合です。

そのため、この2-3週間食べ過ぎたのに、思ったほどHbA1cが悪化していないからといって、油断しないようにしましょう。

上に挙げたように、HbA1cは決して万能の指標ではありません。加えてHbA1cの測定は病院でしかできません。実は、糖尿病治療のためには自分で測定できる身近なバロメーターがあるのです!そのあたりは、また機会を改めてお話してまいりましょう!

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