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糖尿病について Vol.2

~HbA1cと血糖値~

前回は、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)についてお話しました。

HbA1cは、糖尿病の診断や治療に不可欠のものです。同様に大切な指標の一つが血糖値です。HbA1cも血糖値も、数値が高いのは良くないという点では一致しています。

それでは、HbA1cと血糖値の違いは何処にあるのでしょう?

それは数値の安定性です。以下をご覧ください。1日を通した糖尿病患者さんの典型的な血糖値の変動を表したものです。

1日を通して、結構変動しているのがお分かりいただけるかと思います。食べ物を食べると、血糖値は上昇しますが、食事から時間が経過するにつれて低下していきます。そのため朝食、昼食、夕食後に最も血糖値が高くなる傾向にあります。

特に糖尿病が悪化するにつれて、血糖値の変動が激しくなっていくため、測定する日時で数値が大きく変わってしまうのです。これでは、正確な判定などとてもできません。

余談ですが、当院の症例で空腹時血糖値は正常値なのに、食後の血糖値が著しく高かったことから糖尿病の診断に至ったケースがありました。こうしたケースでは、問題なしとして見過ごされる可能性もあったわけです。 翻って、HbA1cのウリはその安定性にあります。時間単位、日単位で激しく変動することはないため、糖尿病の改善や悪化をモニターしていくのに優れているのです。ただし、HbA1cにも弱点はあります。それについては、次回お伝えしていきますね~。

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